吉左右頒布 平成26年皐月号
公開日:
:
最終更新日:2014/09/03
吉左右頒布
開店から一ヶ月が経ちました。
あたたかくスタートを見守ってくださった方々、何かのえにしで初めてご来店くださった方々、皆さまのおかげをもって順調に滑り出すことができました。どうか、今後ともよろしくお引き立てくださいますようお願いいたします。
ところで、お客様に何かお役に立てることはないだろうかとの思いから、このたびマンスリーパンフレットを発行することになりました。
「?・・?・・!!」好奇心あふれる方々にご満足いただけるような楽しい内容を心がけてまいります。コミュニケーションのきっかけ「語らいぐさ」としてお使いいただければ幸いです。
「はてなの茶碗」の「茶」
五月二日は八十八夜です。
立春から数えて88日目に当たりますが、昔はお月様によって日数を数えたため夜の文字であらわされています。
八・十・八を組み合わせると米という漢字になるところから、農業に携わる人たちにとっては特別な日としてきました。
新茶の摘み取りがおこなわれるのも、童謡に歌われたとおりです。♪夏もち〜かづく・・ 確かに三日後には立夏を迎えますが、八十八夜の別れ霜との言葉が残るように遅霜の被害に泣くこともあります。難を逃れてこの日に収穫された新茶は、不老長寿の縁起物として昔から珍重されてきました。
とっておき情報 おさけ と おちゃけ
さて、この季節ならではのおいしいお酒の飲み方をご紹介することにしましょう。
徳利を二本用意してください。一本には急須から淹れた玉露のお茶を、もう一本にはチロリで玉露と同じ温度に温めた極々ぬるめの燗酒を入れます。(同じ温度というのが重要なポイントです)
さ、お猪口にまずお茶を注いで静かに一献。つぎに、お酒を入れてもう一献。こうして代わるがわるにいただきますと、互いの旨さが引き立ちあって上品なそれこそ至福の味を堪能することができます。ぜひ、お試しください。
おすすめするだけでは罪でしょうから、今月のとっておきメニューに加えてみました。ご注文をお待ちしています。
〽︎ ちょこちょこ逢う夜を 一つにまとめ とっくり話が してみたい
皐月の知っ鷹鰤(しったかぶり)
五月五日「端午の節句」にちなんで、鯉のお話でご機嫌をうかがいます。
お隣の国は中国の黄河に、竜門と呼ばれる激流の難所がありました。魚たちが群れをなしてさかのぼってきますが、落差のある滝を登り切れるのは鯉だけだったといいます。この勢いのよい鯉はやがて竜になるとの伝説から「登竜門」という言葉が生まれました。我が国でも、生まれた男の子があやかれるようにと、立身出世のシンボルとして家々で鯉のぼりを立てることを習わしにしています。
ところで、鯉は魚へんに里と書きます。里は、きちんと区画が整った田畑を意味するのだそうです。確かに理髪や理論の理などおよそ里を含む字には筋目が通るというニュアンスをもっていることに気づきます。鯉は、ウロコのきっちり整った様子から魚へんに里と記されるようになったのではないでしょうか。
物ごとの条理にやかましかった孔子は息子に孔鯉という名前をつけています。この考えに即した、こだわりの命名に違いありません。
さて、今月は鯉の洗いを召しあがっていただける日も設けたいと思っています。柳かげとともに食してください。数に限りがあるため、売り切れの節はお許しを。青菜は決して九郎判官にはいたしません。
*鯉幟 影は花菜を 滅多打ち 飛旅子*
得ダネ! クイズ!!
開店のさい書の作品を多く頂戴し、ごひいきさんにもご覧いただいています。入口にはロゴマーク、テーブル席の上には刻字、そして、個室奥の壁を飾るパネルなど、晴れさせていただいています。ありがとうございました。
今回は個室奥のパネルから出題です。この作品には多くの謎がかけられていると聞きました。次の質問に一つでも正解された方には、珍味五種のうちお好きなもの一品をサービスさせていただきます。5月26日(月)までに、ヒントが書かれた用紙を見てご応募ください。正解者多数の場合は抽選し、来月のご来店のおりに結果をお知らせいたします。
- 墨色以外、二色で創られています。あのツートンの組み合わせの意味は何でしょう?
- クエスチョンマークのドット部分がデフォルメされています。その意味は何でしょう?
- 「はてな」が万葉仮名で表されています。「波・手・菜」が選ばれた意味は何でしょう?
- 文字が斜めに書かれています。その意味は何でしょう?
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