100石の蔵の酒3種類呑み比べ 1000円
いつもお世話になっております、きき酒師のスタッフのリョウです。
新しい呑み比べをご紹介します。今回は生産石数が100石程度の蔵のお酒をを選びました。100石というと一升瓶換算で10000本になります。日本酒の大手蔵で一番造るところがだいたい30万石いくかいかないくらいなので、比較するといかに少ないかかがわかっていただけると思います。
小さくていいお酒を造っている蔵はたくさんあるんですよね。ご紹介した蔵が皆さんの記憶の片隅にでも残れば僕が選んだ意味もあるというものです。
新たなることに挑戦
滋賀県 平井商店 浅茅生(あさぢお) 特別純米 米和飲
浅茅生の醸造元の平井商店さんは今回選ぶ蔵の中でも一番古く創業1658年です。蔵はJR滋賀県大津駅から北に歩いて約15分のところの商店街の中にあります。個人的にはこの小さい蔵に思い入れがあります。それは乙女の日本酒プロモーションというイベントがきっかけでした。イベントから数日後に毎年5月のゴールデンウィークの時に天満宮で開催される「日本酒卍固め」というイベントでで平井ご夫妻を見かけて、勇気を出して、平井さんのお酒を扱いたいのですがと声をおかけしてからのお付き合いです。直感的なものですが、ここの酒はなぜか間違い無いと言うか、いいお酒を造るんだろうなという印象がありました。二周年の記念のイベントで浅茅生さんをお招きして会を開催しています。
今回のお酒は高温糖化酛という技術を用いて乳酸菌による酸味を活かしているのが特徴です。高温糖化酛は栃木県や滋賀県の笑四季酒造さんが使っている技術で、元々は暑い九州でお酒を醸すために生み出されました。新たなるチャレンジで洋食にも合うように醸したその味わいに魅せられた僕が選んだお酒をぜひどうぞ。特にワインを飲む方には気に入ってもらえると思います。
謙虚な姿勢で酒造りに臨む
長野県 尾澤酒造 十九 紀(はじめ) 本醸造 無濾過原酒
十九醸造元の尾澤酒造さんは創業1820年。蔵は国道19号線沿い、酒蔵というと山奥とか海沿いにあるイメージですが都会的な感じです。
この銘柄の由来は、人間でいうと二十歳で一人前ですが、酒造りにおいて一人前になるにはまだ二歩も三歩も手前という謙虚な想いから「十九」と名付けられました。人はおごりや怠慢があるといいものはできない、常に自分たちが一人前になるためにはその努力は惜しまず飲み手に対して良いものを造り続けていきたいという想いがこの銘柄に込められています。はてなのちゃわんもそんな店でありたいという思いと、小仕込みという大吟醸並みの手間暇をかけて造るという一貫性が心に響いたのでこの蔵のお酒を選びました。
淡麗辛口への反逆
兵庫県 太陽酒造 たれくち 純米吟醸
たれくち醸造元の太陽酒造さんは創業が1839年です。かつて「西灘」と称された兵庫県明石市西部にある江井ヶ島地区に蔵を構えています。対して神戸市灘区から西宮市にかけて「灘五郷」が「東灘」と呼ばれていました。
「濃醇辛口」の酒を醸しています。フルーティで呑みやすいお酒が人気の時代の中で頑なに自分たちがうまいと思う酒を造り続けている蔵です。そんなポリシーを持って酒を醸す蔵に僕は興味を持ちこの蔵を選んでみました。この機会にお試しください。
現在は田中社長が蔵見学に来るファンに次のようなお話をされます。ある時、先代がお客さんから「どうやったらうまい酒ができるのか」と尋ねられ、『そんなもん簡単なことや。儲からんよう、儲からんように作ったらええ。要は、できるだけ高い米を仕入れて、できるだけたくさん米を削って、それを低い温度でなるべく長い時間をかけて作ったらうまい酒ができるんや』と。それに対し社長は「そんなことをしとるから、ここは何度も廃業の危機に見舞われてます。』と笑いを誘います。今もなお蔵が存続しているのは、代々伝わる造り手の変わらぬ想いが飲み手に伝わっているからだと思います。
今回は小さい蔵でも思い入れを込めて造っている蔵をピックアップしてみました、流行りのお酒を楽しむのもいいですが、僕はこんなお酒が世にあることを皆さんに知っていただきたいです。それでは次回の呑み比べご期待くださいませ。
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